のぞき小僧
ページ番号1000724 更新日 平成30年2月28日 印刷
大谷にある観音堂には、お寺の天井から正体のわからない小僧が下をのぞくという「のぞき小僧」の話が伝わっています。
「のぞき小僧」は、顔は丸く、坊主頭で、体の大きさは、三、四歳くらいの子供だったそうです。いつ、どこの天井穴から、どんな時に顔を出すかは、決まっていません。突然、ひょこっと顔を出して、アッという間に引っこめてしまうので、「出たっ」という声にみんなが天井を見上げた時にはもう見えなかったそうです。
たくさんの人が同時に見ることはなく、たまたまその方向を向いて座っていた人が何気なく天井を見上げたというような時に、この「のぞき小僧」の顔にぶつかるので、よけい気味悪がられたようです。
江戸時代の終わりに、摩尼山の観音堂に妙貞尼という年老いた尼さんが住んでいましたが、すぐそばにあった清眼寺は人が住んでいなくて荒れはてていました。そこに衡平という目明しが修理をして、二人の子分とともに住んで、大谷村を守っていました。
子分の一人がひどく臆病で、この「のぞき小僧」を怖がり、夜になると一人では外へも出られません。ふとんをかぶったまま、便所へも行かず朝までじっとがまんをしているので、ときどき、寝小便をしてしまうこともあったそうです。
衡平親分は度胸があったので、子分のためにも「のぞき小僧」の正体を確かめようと、何度も寝ないで見張りをしたり、天井裏まで登って調べたりしましたが、とうとう正体はわかりませんでした。
その後、この建物は取りこわされてしまったので、「のぞき小僧」は出なくなってしまったそうです。
(こどもえびなむかしばなし第2集より)
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