【歴史資料収蔵館】デジタル展示 双六編(江戸後期~明治期)

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ページ番号1016702  更新日 令和6年4月30日 印刷 

江戸後期~明治期の双六

 海老名市立歴史資料収蔵館で所蔵する資料より、江戸時代後期から明治時代の双六をご紹介します。これらの双六は海老名市内の旧家で所蔵されていたものです。
 絵双六は江戸時代以降、印刷物として普及しました。娯楽だけではなく教育的な側面もあり、各時代の価値観や社会の様子を知ることができます。このページではその一部をご紹介します。

 なお、歴史資料収蔵館(海老名市河原口二丁目27番3号)では令和6年4月25日から令和6年6月30日までミニ展示として資料の一部の展示を行っています。      

 ※期間中、展示資料の入れ替えあり。一部は資料保護のため、複製を展示

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五十三駅東海道滑稽双六 
万延元(1860)年7月 清水登美子家文書 海老名市教育委員会蔵

 弥次郎兵衛(弥二さん)と喜多八(北さん)が江戸から京都までの東海道五十三宿を旅する、十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』を題材にした双六です。作者は幕末から明治維新期に活躍した浮世絵師一恵斎芳幾(歌川芳幾)です。                                                                  この双六は、絵双六の一種で東海道五十三宿をうず巻型に描き、下端の日本橋を振り出し(スタート)とし、伊勢神宮を経て中央の京都を上り(ゴール)としたものです。「箱根」のマスで止まると「手形(身分証明書)」を忘れた」という設定で振り出しに戻るとあり、関所越えの難しさがうかがえます。

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新販頼朝籏揚高名双六 
天保~幕末 高橋正浩家文書 海老名市教育委員会蔵

 源頼朝の出世双六で、全体の下半分にあたります。上半分は貼り合わせの糊がはがれ、欠損しています。浮世絵師歌川国芳の門人で幕末から明治中期に活躍した歌川芳虎(生没不詳)が描いたものです。芳虎は武者絵に秀で、明治以降は開化絵など錦絵も手がけました。                                          伊豆蛭ヶ小島(現伊豆の国市)で頼朝が文覚上人から挙兵を勧められる場面を振り出し(スタート)に、石橋山から安房への渡航、再起から平家滅亡の戦いを経て鎌倉繁栄と、頼朝の一生がコマ絵となっています。上半分にあった上り(ゴール)は富士の巻狩です。頼朝一代記の人気がうかがえます。

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日露戦役凱旋紀年数語録
明治40(1907)年1月 清水登美子家文書 海老名市教育委員会蔵

 この双六は、日露戦争勝利の凱旋を記念し、明治40(1907)年の正月に『東海新報』第1304号の附録として刊行されたものです。開戦を決めた御前会議を振り出し(スタート)として、赤十字病院での怪我人救護による休み、二百三高地の占領、旅順陥落、日本海の海戦などを経て、日露戦争勝利の凱旋である観艦式・観兵式を上り(ゴール)とした戦況をたどる双六です。                                                  東海新報社は小田原にあった新聞社で、各コマには厚木町旅館高嶋亭など小田原・伊勢原・厚木・熱海・湯河原などの商店・旅館の広告が掲載されています。

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開国五十年双六
明治41(1908)年1月 清水登美子家文書 海老名市教育委員会蔵

 この双六は、博文館刊行の雑誌『少年世界』新年号の附録で、日本の開国50年を記念して刊行されたものです。ペリー来航を振り出し(スタート)に、生麦事件や鳥羽伏見の戦い、征韓論、日清日露戦争などを経て、日露戦争の論功行賞が上り(ゴール)となっています。江戸幕府の衰亡と明治期の内政外交を学ぶ双六で、日本の近代国家としての歩みを描いています。「安政の大獄」は近代国家への歩みを停滞させたものとして戻りのコマとなっています。巌谷小波(小説家・児童文学者)、尾竹竹坡(日本画家)の作品です。                                                         

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少女遊芸双六
明治44(1911)年1月 清水登美子家文書 海老名市教育委員会蔵

 金港堂書籍から刊行された『少女界』(日本最初の少女雑誌)新年号の附録です。歌留多を振り出し(スタート)として、習字・御料理・裁縫などのコマがあり、画家が上り(ゴール)の少女向けの双六です。投扇興・薙刀・貝合など現在では一般的ではない遊びや習い事が見られます。当時、大人が少女に何を求めていたのかを示すものでもあり、興味深い資料です。                                                本資料の絵は、のちに近代日本画の巨匠となる鏑木清方と富田秋香(浮世絵師・日本画家・版画家)の合作です。コマごとに、「清方」「秋」と落款、サインがあり、作画の担当がわかります。

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〒243-0422 神奈川県海老名市中新田377
電話番号 046-235-4925
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