社家の三島社の神木と大蛇
ページ番号1000735 更新日 平成30年2月28日 印刷
今から約百五十年も昔のお話です。
社家の三島社の境内に、ツキの神木がまっすぐにそびえていました。神木の周囲は約十二メートルもありました。神木は、すでに千年もたっていて、その根元には大きな空洞があいていました。
いつしか、そこに大蛇が住みつき、近くを通る生き物を食べてしまうので、大変、村人に恐れられていました。神社の近くには「ダブ」のような大きな池がありました。周りは、竹やぶに囲まれて昼でも気味の悪いところでした。しかし、池の中心に向けて一本の板の橋がかけてあり、近くに住む人の洗濯場となっていたのです。
ある日のことです。近くの農家のおかみさんが、この池に洗濯に行くといって家を出ましたが夕方になっても帰ってきません。家の人が心配して探しに行くと、おけと洗濯物だけが置いてあり、姿は見えませんでした。
池に落ちて死んでしまってのか、と池の底を探したのですが見つからず、たちまち村中が大さわぎになりました。それは、前にあの大蛇が人を食べようとした、という噂が立ったことがあるからでした。
村人は、おかみさんが大蛇に食べられてしまったと信じてしまいました。
この事件があった同じ年の六月十五日、信じられないことが起こりました。その日、空は晴れ、風もない真っ昼間、突然神木が火を噴き始めたのです。
中に住みついていた大蛇はたまったものではありません。たちまちのうちに焼け死んでしまいました。村人は、これはきっと天の神様が、人を食い殺した大蛇の行いを憎み、お怒りのあまりなさったことであろうと思いました。
このとき、焼けた跡から出た大蛇の骨は、四斗だる、現在でいえば十八リットル入りのたるに四杯もあった、といいます。
(こどもえびなむかしばなし第1集より)
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