令和4年度施政方針

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ページ番号1013584  更新日 令和3年2月25日 印刷 

 令和4年度予算案並びにこれに関連する諸議案をご審議いただくにあたり、施政の方針として、私の所信を申し述べるとともに、予算の大綱を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。

 令和2年1月に国内初の新型コロナウイルス感染者が確認されてから2年が経過しましたが、この間、世界各地で発生するウイルス変異株と、その置き換わりにより、世界的規模で感染者数は一進一退を繰り返しており、未だ収束の兆しは見えておりません。
 我が国においても、昨年夏の第5波のピーク後、新規感染者数は小康状態にありましたが、欧米で猛威を振るっていた感染力の極めて高いオミクロン株により状況は一変しました。年が明けると瞬く間に感染が急拡大し、第5波をはるかにしのぐ第6波となり、新規感染者数は過去最高を記録しました。

 こうした中、本市では、65歳以上の高齢者等への3回目のワクチン接種を当初より前倒しして、2月3日から3月12日まで、市内3か所の集団接種会場において実施しております。この高齢者接種では、2回目の接種時と同様に、集団接種会場までの無料シャトルバスを運行するほか、路線バス・コミュニティバスの運賃の一部を補助しております。
 64歳以下への3回目のワクチン接種につきましても、18歳以上すべての年齢の接種間隔を6カ月以上に短縮し、3月24日から市内1か所の集団接種会場において実施してまいります。

 振り返りますと、コロナ禍2年目となった昨年も、新型コロナの対応に追われた1年でありました。この間、感染リスクと向き合いながら感染対策の最前線に立ち、奮闘されている医療従事者や介護従事者の皆様には心より御礼を申し上げます。

 そのような状況の中、市民の安心な暮らしを守るため、私は、「今何をすべきか」、「市民にとって何が必要か」を常に考え、国がやるべきこと、市がやるべきことを見極めながら、スピード感を持って新型コロナ対策に取り組んでまいりました。

 特にワクチン接種に関しては、いち早く「ワクチン接種チーム」を立ち上げ、市、医師会、歯科医師会、薬剤師会の強力な連携のもと接種を進め、2回目までのワクチン接種では、県内19市においてトップとなる88.8%の接種率に繋げることができました。
 このワクチン接種に救急救命士を活用し、接種を加速させた本市の取組は、首相官邸のホームページ「新型コロナウイルス感染症対策情報」のワクチン接種における「自治体工夫集」に、先進事例として掲載されています。
 昨年2月に立ち上げた、自宅にいる陽性者と濃厚接触者を支援する「自宅療養者支援チーム」の取組も、多くのメディアに取り上げられるとともに、他市町村の先進事例となりました。

 昨年度に続き、「市制施行50周年記念!元気いっぱい!!えび~にゃ商品券」を発行し、新型コロナにより影響を受けた市民の生活を支援するとともに、消費を喚起し市内経済の活性化を図りました。
 商品券は、大変好評で当初21億円発行しましたが、2度の増刷により、9億2,400万円を追加発行し、合計30億2,400万円が市内で使われたことになります。

 昨年末の子育て世帯への臨時特別給付金の支給においても、年内の10万円一括給付をいち早く表明し、先行給付世帯に対して12月27日に支給いたしました。
 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給についても、2月9日から支給を開始しております。

 昨年10月に発足した岸田新政権は、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした「新しい資本主義」を実現すべく、賃上げを重要政策と位置付け、経済界に対して積極的に働きかけるとともに、コロナ禍からのリバウンドと新時代の挑戦が重なるこのタイミングを官民でしっかり捉え、局面転換をしていかなければならないと強調しています。
 こうした政府の動きに対して経済界も、2022年の我が国経済の見通しを、新型コロナの感染状況によるとはしながらも、コロナ禍からのリバウンドを見込み、2022年の後半には回復基調となると予測しています。

 しかしながら、世界経済は、オミクロン株による感染の急拡大と物価高騰により、2021年の力強い回復から著しく鈍化している状況にあります。
 昨今から続く、原油価格や原材料費の高騰も、国内経済の先行きにとって不安材料となっており、景気の回復が遅れれば、回復を見込んでいる市税収入等にも影響を及ぼしかねず、そうした状況も視野に入れておく必要があります。
 政府は今春にも、新しい資本主義のグランドデザインと実行計画を示すとしており、地方行政にも大きく影響することから、こうした政府の動きにも注視してまいります。

 未だパンデミック収束が見通せない厳しい状況が続きますが、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の到来を見据え、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図りながら、未来へつながる持続可能な行財政運営を行うため、令和4年度予算のテーマを「コロナ禍に光を見出す 将来の健全財政を維持」として、基本的な方針を述べさせていただきます。

 はじめに「充実して暮らせるまち」でございます。
 昨年度は、市制施行50周年の節目の年として、様々なイベントを予定しておりましたが、新型コロナの影響で中止を余儀なくされました。
 令和4年度は、市制施行50周年記念プラス1(ワン)事業として、「えびな市民まつり」での5,000発の打ち上げ花火をはじめ、「えび玉」、「駅伝」「健康マラソン」等の事業を実施してまいります。
 市内防犯灯のLED化事業を1年前倒しして令和4年度中に完了いたします。これまでも、環境負荷の低減のため市内の安全・安心を守る防犯灯は順次LED化を進めておりましたが、これにより市内全ての防犯灯がLED化されることとなります。

 次に「健やかに暮らせるまち」でございます。
 新型コロナの対応として、18歳以上の方への3回目のワクチン接種につきましては、集団接種会場を設置するなどして接種を加速させるとともに、これまで対象外であった5歳から11歳の子どもへのワクチン接種につきましても、2月28日から対象者へ接種券を送付し、小児科等の医療機関と調整を図りながら実施してまいります。
 海老名駅駅間地区の「ViNA GARDENS PERCH」(ビナ ガーデンズ パーチ)にワクチンパスポート等の発行を行う、(仮称)ワクチンパスポート等相談センターを設置し、ワクチン接種体制の充実を図ってまいります。
 また、同センターの事業終了後には、駅間という若い世代が集まる立地の良さを生かした健康推進事業を展開してまいります。
 市民の皆様が24時間365日、健康に関する不安を相談できるコールセンターとして「24時間健康相談ダイヤル」を開設し、相談体制の充実を図ってまいります。
 産婦の身体的な機能回復、授乳及び育児の状況確認を目的に実施される、産婦健康診査費用の一部を助成し、産婦及び乳児の健康保持・増進を図ってまいります。
 障がい者が「自分らしく暮らせる地域共生社会の実現」と「その人にとってふさわしい自立」を図ることができるよう、幅広い支援策を展開する福祉法人の設立準備を進めます。

 次に「にぎわいがあり自然に優しいまち」でございます。
 昨年4月に新たな農業支援組織として設立した「海老名市農業支援センター」が一般社団法人化され、4月から業務を本格運用いたします。農業の担い手の確保、荒廃農地の有効活用、6次産業化等の地産地消の取り組みを推進してまいります。
 令和元年9月30日から実施している家庭系ごみの一部有料化及び戸別収集は、導入後も更なる減量に成功しています。引き続き、焼却施設の維持管理、環境負荷の軽減、負担の公平性や地元負担の軽減といった諸課題の解決に向け、一層のごみ減量化に取り組んでまいります。
 事業系ごみ減量化の取組として、主に食品残渣が多く排出される小規模飲食店舗等に生ごみ処理機を無償貸与し、事業者の皆様にも生ごみの減量化を体感していただくことで、店舗等への生ごみ処理機の普及啓発を図り、更なる事業系ごみの減量化に繋げてまいります。
 市制施行50周年記念事業として海老名駅周辺で実施したイルミネーション事業を、中心市街地に新たなにぎわいを創出する事業としてリニューアルして実施いたします。

 次に「便利で暮らせるまち」でございます。
 中新田丸田地区で進めている土地区画整理事業に向けた取組が本格的に動き出します。令和5年度の組合設立を目指し、準備組合の結成を見据え、行政手続きや関係機関との協議等に対して、財政支援をしてまいります。
 市役所周辺地区の一般保留区域の市街化区域編入により、今後、住宅や商業施設等の開発が進み、海老名駅東口を中心に居住人口や来街者の増加が見込まれます。歩車分離された安全で回遊性のある良好な歩行者空間を目指し、海老名駅東口自由通路の延伸を見据え、基礎調査を進めてまいります。
 東名高速道路海老名サービスエリア下り線に隣接した区域に、地域振興や防災機能を備えた都市公園の整備を検討するための調査を進めてまいります。
 日本一のサービスエリアを貴重な地域資源と捉え、都市公園の整備を通じて地域連携を進めてまいります。
 住宅マスタープランの計画年度開始に合わせ、空き家対策事業において、従来のリフォーム助成事業に替わる、新たな住宅取得支援事業を実施してまいります。

 次に「豊かな学びを育むまち」でございます。
 令和5年9月の中学校完全給食の実施に向け、国の16カ月一体編成予算を活用しながら、食の創造館の増築に着手いたします。
 本市の学校給食の基本理念である、「海老名の子どもたち、ひとりひとりのおいしい笑顔のために」の実現に向けて、中学校の完全給食化を進めてまいります。
 令和元年度から中部地区(海老名中学校区・大谷中学校区)で実施している生活困窮世帯の子どもに対する学習支援事業を、北部地区(柏ケ谷中学校区・今泉中学校区)に新たに開設し、学習支援体制の充実を図ってまいります。
 コロナ禍での生活様式の変化により、図書館利用者のニーズは多様化しています。加えて、市内小中学生への1 人1 台端末の整備が完了したことから、365日24時間、誰でも無料で利用できる電子図書館を導入し、市民サービスの向上及び児童・生徒の読書活動推進を図ってまいります。
 市内小学校の新1年生から3年生に、従来の防災頭巾に替わる折り畳み式の児童用防災ヘルメットを無償貸与し、災害時における児童の安全を守るとともに、防災意識の向上を図ってまいります。

 次に「安全で安心して暮らせるまち」でございます。
 消防署南分署は開署から38年が経過しています。市南部地域の消防力を強化するため、令和7年4月のリニューアルを目標に、南分署の建て替えに着手いたします。
 海老名駅西口地区の人口増加に伴い、市内全域において消防需要が増加しています。こうした需要に対応するため、本署配備の高規格救急車や西分署の消防ポンプ車の更新を進めてまいります。
 令和元年の東日本台風の際、ペットが自宅にいるために避難を躊躇される方が多くいられました。大切なペットと一緒に避難できる体制を推進してまいります。

 次に「かがやきを創造するまち」でございます。
 将来的には人口減少が予測される状況にある中、公共施設の利用需要も変化していくことを踏まえ、公共施設再編適正化計画の改定に取り組んでまいります。
 計画策定にあたっては、市民ワークショップを開催し、多くの市民の意見を反映させてまいります。
 今般のコロナ禍は行政組織におけるデジタル化の脆弱性を露呈することになりました。今後急速に進む行政手続きのデジタル化を踏まえ、行政手続きのオンライン化を進め、市民が窓口に「行かない」、窓口で「待たない」、窓口で「書かない」、スマート申請及びスマート窓口を導入いたします。

 最後に「新たな発見ができるまち」でございます。
 令和3年11月30日に総務省から発表された令和2年国勢調査において、前回調査から神奈川県内の33市町村のうち19市町村で人口が減少する中、本市の人口は4.9%増加し、人口増加率では県内2位という好結果となりました。
 令和3年4月に実施した市政アンケートでも、過去最高となる93.9%の市民の方々から、これからも海老名市に住みたいとの回答をいただいています。
 駅周辺のにぎわいと自然豊かな住みよいまち、元気で笑顔あふれるまち、海老名市が将来にわたり、住みたい住み続けたいまちであるために、海老名市の魅力を発信できるようなシティプロモーション事業を引き続き展開してまいります。

 以上、令和4年度に実施する新規事業や、充実を図る事業、今年度積極的に推進していく事業のあらましを申し上げてまいりました。
 次にこれらを実施していくための予算の概要をご説明させていただきます。

令和4年度の予算規模は、

  • 一般会計
     461億8,000万円 前年度に比べ 9億5,500万円 2.1%の増
  • 国民健康保険事業特別会計
     122億1,282万1千円 前年度に比べ 4億6,745万1千円 4.0%の増
  • 介護保険事業特別会計
     89億3,106万2千円 前年度に比べ 4億5,296万5千円 5.3%の増
  • 後期高齢者医療事業特別会計
     21億297万8千円 前年度に比べ 1億3,516万6千円 6.9%の増
  • 公共下水道事業会計
     46億1,351万6千円 前年度に比べ 4,457万9千円 1.0%の減

でございます。

 一般会計と3特別会計、1企業会計を合わせた予算総額は、740億4,037万7千円で、前年度に比べ 19億6,600万3千円、2.7%の増となり、予算総額、一般会計ともに2年ぶりの増加で過去最大となっております。

 一般会計においては、国の令和3年度補正予算と、令和4年度当初予算を一体として編成する16カ月予算を活用し、当初予算を編成いたしました。
今年1月の臨時会でご審議いただいた補正予算のうち、令和4年度事業から前倒した分の予算額は、中学校給食調理施設(食の創造館増築棟)の整備事業や避難所用感染予防備品の購入事業など10億3,307万2千円でございます。
 また、今定例会にも、新型コロナ対策に資する令和4年度事業から一部を前倒しで実施したいため、1億5,611万6千円の事業費を含む補正予算を上程してございます。
 そうした分を加えますと、令和4年度一般会計の実質の総額は、473億6,918万8千円となります。

 新型コロナ対策における予算措置につきましては、引き続き能動的かつ機動的に対処してまいります。

 未だ人口が増加局面にある本市においても人口減少社会は間違いなく訪れます。将来に渡って「住みたい、住み続けたいまち海老名」であり続けるためには、中長期的な視点で海老名の未来をデザインしながら施策を進めていくことが必要となります。
 人口減少等により今後の公共施設等の利用需要も変化してまいります。加えて、施設の大規模な更新時期を迎える中、小中学校やコミュニティセンター等の施設の再編や適正化、施設の使用料負担に係る受益者負担の適正化等の課題に対して、市民や議会からの意見を取り入れながら、先送りすることなく将来を見据えた施策に取り組んでまいります。

 昨年の12月定例会でご審議いただいた、公共施設附帯駐車場有料化の施策は、将来世代に負担を先送りしないよう、時代に対応した安全安心な施設の維持に資する取組であります。対象5施設の有料化を円滑に進めるとともに、今後も最適で持続可能な市民サービスを提供してまいります。

 国民皆保険制度の根幹を支える国民健康保険は、被保険者からの保険税だけでは賄いきれておらず、一般会計からの繰入金により補填している赤字の状況にあります。
 生活習慣病の発症や重症化の予防を目的に実施している特定健診の自己負担額を無料化することで受診率向上を図り、医療費の節減に努めてまいりますが、国からこの赤字を令和7年度までに解消するよう求められていることから、段階的に保険税を引き上げてまいります。

 市内の下水道管は、まもなく整備開始から50年が経過しようとしていますが、その維持管理には多額の費用が必要となります。将来にわたり安定したサービスを提供するため、令和4年4月から下水道使用料を約10%値上げいたします。

 市民の皆様には、ご負担をお願いすることとなりますが、将来の健全財政を維持するため、今、取り組む必要があるものとして、ご理解とご協力をお願いいたします。
 本市が持続可能なまちとして成長し続けられるよう、真に必要なものは勇気をもって決断し、実行してまいります。

 オミクロン株の発生により新型コロナへの対応は新たな局面に入りましたが、改めて市民の皆様には、一人ひとりの基本的な感染予防策として、これまでと同様に、3密の回避、正しいマスクの着用、手洗い、換気等の基本的な感染症対策を徹底するようお願いいたします。
 市民の皆様の命と暮らしを守るため、新型コロナ対策については、緊張感を緩めることなく、引き続きスピード感を持ちながら、全庁体制で取り組んでまいります。

 私は年頭に当たり今年の言葉として「前へ」を選びました。
 コロナ禍は、今なお収束の兆しは見えませんが、市民の皆様のたくさんの笑顔のために、様々な施策を、機を逸することなく、前へ、前へ進めてまいります。

 令和4年度予算案はこのような私の気持ちを込め、私自身が先頭に立ち職員全員が一丸となって作り上げたものでございます。
 議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げまして、施政方針といたします。

 

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