枕返しのお地蔵様

枕返しのお地蔵様 大谷の観音堂を摩尼山といい、そのお堂の左側に、岩に腰をかけているお地蔵様があります。昔、このお地蔵様に足を向けて寝ると、いつの間にか枕が足の方に移動するというので、「枕返しのお地蔵様」と呼ばれ、不思議がられていました。
 いつの時代でも、若者たちは好奇心が強く、いたずら好きのようです。枕返しのお地蔵様についても、「寝相が悪くて、自分で枕を足の方へけとばしてしまうのだろう」「いいや、お地蔵様のお力だ」「作り話に決まっている」などと、みんなでいいあった後で、「それでは、みんなでほんとかどうか確かめてみよう」ということになりました。
 その晩何人かで、お堂に泊まりお地蔵様に足を向けて寝ました。そして翌朝目をさましてみると、「あれれれ、みんな枕が足の方にきている。やっぱりお地蔵様が枕を移したんだ」それからは、枕返しのことを疑う人がいなくなりました。
 ところが、摩尼山に人が住まなくなった明治の中頃、ねずみがお地蔵様の腰かけておられる台座をかじって穴をあけ、お地蔵様の中に巣をつくってしまいました。
 そこでねずみを追い出して、中を掃除したら、食いちぎられてぼろぼろになった巻物が出てきました。巻物にはありがたい仏様の教えが書いてあったのですが、あまりに汚いので、掃除をした人が焼き捨ててしまいました。
 それからは、いくらお地蔵様に足を向けて寝ても、枕返しは起こらなくなったそうです。 

(こどもえびなむかしばなし第2集より)

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