ぢぢい田

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ページ番号1000812  更新日 平成30年2月28日 印刷 

望地と国分の境は、目久尻川で分けられています。川の両側は土地の肥えた田んぼがたくさん開けていますが、時代の移り変わりとともに徐々に数が減ってきています。
柏ヶ谷近くの望地の北西部にも、こうした田んぼがたくさんありますが、この辺りの田んぼにはいろいろな名前がついています。例えば、山王社という神社のお米を作る田んぼなので「山王田」、殿様の田んぼをみんなで分けあったら、田んぼの位置が互いに寄り合っていたので「寄合田」、また六つに分けられた田んぼなので「六枚田」・・・といった具合です。「ぢぢい田」という田んぼもこの場所にありましたが、「ぢぢい田」には、こんな話が伝えられています。
昔、望地に鈴木勘兵衛というお爺さんがいました。その年も、お爺さんが苦労して育てた稲が見事に育ったので、稲刈りを始めました。お爺さんはなかなかの働き者だったので、日が沈み辺りが薄暗くなっても、「どれ、もうしばらく・・」と、一生懸命稲を刈っていました。
すると、お爺さんの尻をペタペタと叩く者がいます。ひょいと振り向くとそれは河童で、素早く目久尻川へ飛び込んで姿を消してしまいました。あとはただ、水音が響いているだけでした。
しばらくしてお爺さんは、「よし、よし」とうなずくと、やがて家に帰りました。次の日、お爺さんは小さな石をつめた袋を用意して、きのうの稲刈りの続きに行きました。やがて日が暮れ始めると、お爺さんは例の小石を詰めた袋を尻に結わえつけて、何くわぬ顔で稲を刈っていました。
そこへ、昨日の河童がまたお爺さんをからかいにやってきて、昨日より強くお爺さんの尻を叩いたからたまりません。その手がしびれ、「痛ててて!ぢぢいの尻は、まるで石だ」と叫び、あわてて逃げていってしまいました。
それからこの田んぼは、「ぢぢい田」と呼ばれるようになったそうです。

(こどもえびなむかしばなし第4集より)

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